2010.03.05 Friday
acoustic window
今日は『音響窓:』の話をしたいと思います。 子宮の中にいる赤ちゃんの発育具合などを検査する「産科領域」 のエコーは、膀胱内に尿を溜めておこないます。 同様に男性の前立腺も「おしっこ」を溜めた状態で検査しますよ ね。 これは、膀胱に尿が溜まっていることによって、子宮や前立腺が しっかり観察できるからです。 下腹部には、消化管など超音波が透過しにくい組織や、境界がは っきり描出されにくい臓器が多いのです。 そんな時に「尿」があると、その後側にある臓器が鮮明に描出で きます。 「嚢胞」← エコーでよく見かける病変ですね。 嚢胞の後ろ側には「音響増強」がみられます。これは嚢胞の成分 が周囲の組織と比べて超音波を透過しやすいために起こる現象で した。 嚢胞の主成分は「尿」と同じように「水」ですね。 水は均一で超音波を減衰させる要素が少ない。つまり、超音波が 透過しやすいのです。 このように、超音波が透過しやすいものを目的部位の前に描出す ることによって、目的部位の描出能は大きく向上します。 このとき、目的部位の前に描出するものを「音響窓」といいます。 じつは「音響窓」 ← 誰もが無意識に使っています。 膀胱内の尿もそうですし、よく肝臓を通して右側の腎臓を観察し ますよね。 また、胆嚢の底部にアーチファクトがかかって見づらい時にも、 別の角度から肝臓を通して胆嚢底部を検査します。 肝臓は比較的均一な組織ですから、「音響窓」になるのです。 ( もちろん脂肪肝はダメですが・・・ ^^; ) 腎臓は消化管のガスがかかりやすく、長軸像では上極と下極の端 を観察できないことって多いですよね。 そのとき、短軸像(輪切り像)でプローブを腎臓の中央に置き、 上下に振ると、上極と下極の端を観察することができます。 これは、腎臓自体を「音響窓」にしているのです。 膵臓も同じです。頭部や尾部は消化管のガスか邪魔して、描出で きないことがあります。 こんなときは、膵臓自身を音響窓にするのです。 縦走査で体部から頭部方向へ、または尾部方向へ斜めに超音波ビ ームを入射することによって、観察することが可能になります。 こう考えると、意外に「音響窓」って、皆さんいつも使っている でしょう? これを「無意識」ではなく、「意識的」に使うのです。すると、 あなたの描出能は大きく向上するでしょう! 『音響窓』← 意識的に使ってみましょう (^^)v エコーの達人は、みんな意識して音響窓を使っています! 「音響窓」の条件 ↓ 均一な組織であること=音響インピーダンス差が少ない組織 構成です 超音波検査ハンズオンセミナー(実技講習会) |
